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ブログを書くようになり、他人のブログもよく見るようになりました。 いくつかお気に入りがあるのですが、そうした中でも、藤沢数希さんの「金融日記」は出色の出来だと思いますね。 その「金融日記」のなかで、「起業とサラリーマンどちらが得か?」というエントリーがありました。 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51693139.html これに触発されましたので、今日はこのテーマに関する私の考えを書きたいと思います。 ■ まず、報酬ですが、平均的にはおそらくサラリーマンのほうが得ではないでしょうか。 大企業と中小企業を比較すると、大企業のほうが収益力があることが普通です。 現代の資本主義自由経済体制のもとでは、より資本力があり、より労働力を投入でき、より技術力・ブランド力・情報力がある組織のほうが、収益が上がるのです。 起業するということは、大企業による分社化等の事例を除けば、1人もしくは数人で始めることがほとんどでしょう。つまり、最初は「中小企業」にも満たない「零細企業」に過ぎません。 平均をとってみれば零細企業の収益力は弱く、このため、トップといえどもそれほどの報酬は期待できないでしょう。 また、零細企業はより大きな企業と比較して破綻する率が高いのです。病気やけがで長期療養が必要な場合の保証もありません。 このため、起業のリスクが大きいことは明らかです。 もちろん、成功した起業家もたくさんいます。 しかし、破綻したり、破綻しないまでも自ら廃業した会社も含めて平均値をみれば、実は起業はそれほどは儲かるものではないでしょう。 少なくとも、リスクを考慮した報酬という意味では、平均的にはサラリーマンのほうが得となるケースが多いように思います。 ■ 「やりがい」という点ではどうでしょうか? これは個人の気持ちの問題なので、一概にこうだと決めつけることはできません。 「鶏口となるも、牛後となるなかれ」という言葉があるとおり、小さくてもトップになりたいという人はいます。 いえ、サラリーマンであっても出世して喜ばない人はあまりいないので、人は誰でも程度の差こそあれトップになりたいと思っているものなのかもしれません。 サラリーマンで社長に上り詰める人はほんの一握りなので、トップになれるという意味では、起業のほうが優れています。 もっとも、忘れられがちなのですが、サラリーマンでしか味わえない喜びもあります。 例えば、自動車が好きでエンジニアになって自動車生産に携わりたいと考えた人がいたとします。 この人は既存の自動車メーカーに勤めるしかないでしょう。 各産業にはその産業なりの勃興期があります。 例えば鉄鋼とか自動車といった産業は、もう勃興期を過ぎています。 たとえ資本を集められたとしても、今からこうした産業分野で起業することは極めて困難なのです。 となると自動車のエンジニアは、必然的にサラリーマンでなければなりません。 つまり業種によっては、やりたいことをやるためにはサラリーマンでないといけない場合があるのです。 また、サラリーマンでもある程度の規模の会社に勤められれば、動かせる金額(予算規模)とか社会に与える影響は、一起業家とは比較にならないほど大きなものになります。 仕事の報酬は金銭だけではありません。今までよりも「大きな仕事」も報酬です。 成功したサラリーマンの場合、小さな起業家よりも「より大きな仕事」ができる可能性が高いでしょう。 この点もサラリーマンのメリットです。 ■ 最初の話に戻って、報酬面では平均的に見ればサラリーマンが有利と言うのは、一般に言われることとは異なるかもしれません。 しかし、一方でものすごく平凡な結論でもあります。 なぜなら、日本だけでなく、アメリカでもヨーロッパでもたいていの人はサラリーマン(組織に属している人)なのですから。 人間は、個々人は間違うことがあっても、集団としてはそれほどバカではありません。 世界中の先進国で、昔と比べて農業人口が大幅に減ったのは、誰かに強制されたからではありません。 農業よりも工業やサービス業のほうが生産性が高く豊かな生活ができるからです。 もし、起業のほうがいろいろな点で有利なのであれば世界中で今よりももっと起業家が増えてもおかしくない、と私は思います。 繰り返しますが、起業家の中には成功してサラリーマンよりもずっと多く稼いでいる人もたくさんいます。 また、個人の価値観として起業したい人もいるでしょうし、やりたいことが既存の産業の中にないために起業するという人もいるはずです。 起業家が新しい価値を世の中に提供してくれることこそが、さらに社会をより良くしてくれるのです。 起業を否定しているわけではありませんので、その点は誤解なきようにお願いします。 ■ そう、最後になりましたが、藤沢さんに敬意を表し、本のリンクを貼っておきます。 『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方 (単行本) 』藤沢 数希 (著) 投資に関しては「トンデモ本」が多いので困ってしまうのですが、この本の内容は至極まっとうでお勧めできる一冊です。 |
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起業とサラリーマンどちらが得か? その2
昨日は「起業とサラリーマンどちらが得か?」というテーマでしたが、少々書き足りないことがありましたので、今日もこのテーマの続きです。 ...続きを見る |
坂の上へ: J.S.の金融・経済コラム+... 2010/05/07 22:50 |
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